ポーカーバーやアミューズメントカジノバーを営業するには風俗営業5号許可を取得する必要がありますが、今月、警察庁より注意喚起がありましたので、その点につき、風営法専門の行政書士が解説致します。

なお、風俗営業5号許可の申請の具体的要件や方法については、下記、弊所の記事を参照ください。
目次 (クリック可能)
1,警察庁からのお知らせ(注意喚起)
ゲームセンター等営業に関する法令遵守のお願い
- 名目を問わず、偶然の勝敗に関して財物を賭ける行為は賭博罪に該当する可能性があります。
- アミューズメントカジノ等のゲームセンター等営業に関しては遊技の結果に応じた賞品の提供が法律により禁止されています。
- 法令に違反した場合は取締りの対象となる可能性があります。
- 賭博は犯罪です。法令遵守店でルールを守って楽しく遊びましょう。
2,今回のお知らせの警察の狙い
今回のお知らせを受けて、通常のゲームセンターのクレーンゲームの景品はどうなのかに焦点を当てた記事がネット上でいくつか見受けられますが、警察のメインの警告対象は、クレーンゲーム等ではなく、上記黄色マーカーを引いた「アミューズメントカジノ」や「ポーカーバー」と思われます。
実際、警察作成の注意喚起ポスターにも、トランプの絵やコイン、チケット等の表現が記載あるので、これは間違いないと思います。
今回の警察庁の注意喚起は、新たに法改正や基準改正があったというわけではなく、元からある基準ですが、なぜこのタイミングで注意喚起されたかが大事です。
この数年、ポーカーバーやアミューズメントカジノが繁華街で増えてきました。幣事務所においても、許可の相談がほぼ毎月あるほどです。
店が増えると、あまり知識のない営業者の方が、同業者の伝聞や都市伝説を、合法的な裏技のように信じる人も増えます。今回の注意喚起は、そういった方法は、脱法行為なんだよ、そういうことやっていると逮捕されるよ、という警察庁からの注意喚起かと思います。また、警察もそういう店が増えてきていると具体的に把握しているのだと思います。
なお、クレーンゲーム等については、警察庁の風営法解釈運用基準により、その営業に関し、クレーンで釣り上げるなどした物品で小売価格がおおむね1,000円以下のものを提供する場合については法第23条第2項に規定する「遊技の結果に応じて賞品を提供」することには当たらないものとして取り扱うこととする、と規定されております。
3,具体的に何を注意すればよい?
基本的には、アミューズメントカジノ・ポーカーバー等のゲームセンター等営業に関しては、下記行為は不可であり、それを巧妙に、名目を変えたりしてもダメだよ、ということを言いたいと思われます。
①遊技の結果に応じた賞品の提供
②賭博
では、表題の警察庁の注意喚起ポスターに書いてある文言から、注意事項を考察します。
1,現金じゃなきゃいい?!
→ 例えば、ポーカーの参加者の中で、一番チップの多い人や優勝者に、景品を渡す行為は、現金でなく景品でも不可です。(ただし、ポーカー大会において、参加者や主催者ではなく、第三者がスポンサーとして賞金等を出す場合は、例外的に認められますが、これを脱法行為的に利用する店があり、下記3番で解説します)
2,〇〇円相当のチケット争奪戦・〇〇円相当のコイン?
→ 例えば、ポーカーで勝った人に対して、その店のみで使えるポーカー参加のコインを、負けた人が渡す行為はゲームの性質上、認められますが、そのコインが裏で換金できる場合は、当然賭博行為に該当するので、NGです。WEBで換金できるコインなども、もちろん不可です。
〇〇円相当という表現自体も、換金行為を連想させるので、控えた方がよいと思われます。
なお、そもそもアプリ等で獲得したコイン等の数量を管理する場合、当該営業所外でその数量を確認できるものは風営法違反になります。
3,選手じゃないのに選手契約・本当にスポンサーなの?
→ 現在、世界中でプロポーカー選手はおり、日本で徐々に増えているのは事実です。ただし、そこを逆手にとって、プロ選手への報酬という名目で、その日、勝利したポーカーゲームの参加者に賞金等を支払うお店があるそうです。表面だけ取り繕っても、実態がプロ選手でなければ不可です。また、本当のプロ選手であっても、ポーカーバーで通常の日のゲームで、報酬をもらうのは原則としては不可です。(ポーカーを教えるために来てもらい、ゲームの勝利とは関係なく、決まった報酬を払うのであれば可)
また、店舗で、ポーカー大会を開き、優勝者に賞金を出す店があります。表面上は、参加者や主催者ではなく、第三者のスポンサーがいて、賞金を出していると謳っていますが、実態は、参加者の参加料の一部を主催者が支払っているとしたら、これも当然アウトです。特に繁華街のあまり大きくないお店の参加者もごく少数の大会と称したイチゲームに、賞金を出すスポンサーがいるでしょうか?
なお、主催者がスポンサーと称する第三社の会社にお金を出し、その会社から賞金を出すといった三点方式もダメです。
4,こんなプライズもらっていいの?
→ プライズ(景品)はクレーンゲームと違い、1000円以下のものであっても不可です。例えば、ジュースやビールなども不可なのは注意が必要です。
4,麻雀店について、許可運用基準の一部が改正
今までのポーカーバーの話とは変わりますが、追加でご案内です。
今回の警察庁HPのお知らせにも記載ありますが、令和8年7月1日付の新しい風営法解釈運用基準で、麻雀店に関して下記が追加されました。
「客にまあじゃんをさせる営業のうち、常態としてまあじゃんを教授する者の指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられていると認められる場合には、当面、賭博等の問題が生じないかどうかを見守ることとし、規制の対象としない扱いとする」
今までも、「麻雀教室」は、風営法の許可は不要という見解はありました。ただし、警察が麻雀教室と認めるにはかなり高いハードルがあり、通常の店舗でほぼ許可が必要でした。今回の解釈運用基準の改正で、プロ麻雀選手等が経営する麻雀教室に近い店舗は許可を要しない扱いが増えるかと思いますが、「常態としてまあじゃんを教授する者の指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられていると認められる場合」の具体例が現状出ていないため、今後の警察の運用を注視したいと思います。
5,専門家に相談したい…
風営法や刑法のルールをちゃんと守ってやりたい、でも、法律の限界ギリギリの儲けるためにできることは攻めたいという経営者は多いと思います。
その場合は、お気軽に風営法専門の行政書士事務所にご相談ください。
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