風営法における「遊興」とは?

ナイトクラブやディスコなど、深夜にお酒を提供し、不特定多数の客にダンスをさせる営業形態を「特定遊興飲食店営業」と平成28年の風営法改正で定義付けられましたが、そもそも”遊興”とは、どういう行為を指すのでしょうか。

ダンスをさせる以外に遊興に該当するものはあるのでしょうか。

”遊興をさせる”とは、文字どおり遊び興じさせることですが、特定遊興飲食店営業として規制対象となるのは、営業者側の積極的な行為によって客に遊び興じさせるものに限られます。

1)遊興をさせるサービスの主な分類

「鑑賞型のサービス」

・ショー等を鑑賞するよう客に勧める行為

・実演者が客の反応に対応し得る状態で演奏・演技を行う行為

※単にテレビの映像や録音された音楽を流すような場合は、積極的な行為に当たらない。

「参加型のサービス」

・遊興等を行うように客に勧める行為

・遊興等を盛り上げるための言動や演出を行う行為

※客が自ら遊戯を希望した場合に限ってこれを行わせるとともに、客の遊戯に対して営業者側が何らの反応も行わないような場合は、積極的な行為に当たらない。

2)遊興の具体例

「遊興にあたる具体例」

・不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為

・不特定の客に歌手がその場で歌う行為、バンドの生演奏を聴かせる行為

・客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスさせる行為

・のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為

・カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを奨励し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為

・バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せながら、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為

「遊興に当たらない具体例」

・カラオケボックスなどで不特定の客が歌う行為

・スナックなどで不特定の客がカラオケ装置を自ら使用する行為

・ボーリングやビリヤードの設備を設けて、これを不特定の客に自由に使用させる行為

・単に映画を客に見せる行為

・バー等でスポーツ等の映像を単に不特定の客に見せる行為

3)遊興行為を行う場合の許認可

では、遊興に該当する行為を行っている場合どのような許可をとればいいのでしょうか。

実は、遊興に該当するサービスを行っていても、直ちに何か許可を取らないといけないわけではありません。

「遊興」+「深夜(午前0時~6時)」+「お酒の提供」

この3条件が揃って、はじめて「特定遊興飲食店営業」の営業許可が必要になります。
(ただし、東京都の場合、午前5時~6時の間は営業はできません)

例えば、「遊興」+「お酒の提供」 だけではあれば、「飲食店営業」の許可のみで大丈夫です。
(ただし、ここに「接待」が加わる場合は、「風俗営業」の許可が必要になります)

4)迷った場合は…

「特定遊興飲食店営業について説明を聞きたい!」「自分のお店の行為は遊興に当たるのか確認したい」「営業するにあたって、何の許可を取ればよいか教えてほしい」

などと言った場合は、風営法関連の手続きのプロである行政書士にぜひご相談ください!

新宿行政書士事務所 03-6675-9016

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