風俗営業許可申請や特定遊興飲食店営業許可申請の「実査」って何をするの?

風俗営業許可申請や特定遊興飲食店営業許可申請を行った場合、概ね申請日から2~4週間以内に申請した営業所にて「実査」という名の店舗検査が行われます。

風俗営業許可申請等を初めて申請した方は、この「実査」というものがどういうものか心配される方もいるので、今回の記事では、「実査」について解説します。

1,風営法上の規定(読み飛ばして構いません)

風営法第39条に「都道府県風俗環境浄化協会」の規定があり、その第2項において、都道府県協会の行う事業が掲げられおり、その第6号において下記の通り定められており、この調査が「実査」にあたります。

 公安委員会の委託を受けて第三条第一項又は第三十一条の二十二の許可の申請に係る営業所に関し、第四条第二項第一号若しくは第二号又は同条第三項第二号から第四号まで(これらの規定を第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)に該当する事由の有無について調査すること。

内容に条文が混ざり、意味が分からないと思いますので、条文番号解きほぐすと下記のようになります。

「公安委員会の委託を受けて、風俗営業許可又は特定遊興飲食店営業許可の申請に係る営業所に関し、①営業所の構造又は設備が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき、②営業所が、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例で定める地域内にあるときに該当する事由の有無について調査すること

ちなみに「都道府県風俗環境浄化協会」については「善良の風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成を図ることを目的とする一般社団法人」と定義されておりますが、一言で言うと「警察OB」の団体です。

2,実査とは要するに何? 何を誰が検査する?

上記1は、読んでも意味がわからないと思いますので、簡単に言うと、

申請した営業所が風営法上の①構造要件を満たしているか②場所的要件を満たしているか
の確認をする検査のことです。(BY 警察OB団体)

3,実査で、不合格になることはあるか?

申請した図面と全く異なる場合や構造要件にかなり問題がある場合は、不合格になることもあります。

ただし、構造要件の問題があまり酷くない場合(客室内に1m以上の衝立があるが、少し超えている程度であった場合など)は、後日、「再実査」してもらうことで、許可までの時間は通常よりかかる可能性がありますが、許可自体は下ります。

また、構造要件に問題はないが、申請した図面と現場で検査官が測った寸法に多少の違いがある場合(東京都では2cmを超える違い)、その場もしくは後日訂正した図面を提出する必要があります。

風俗営業許可申請に慣れていない行政書士に申請を依頼すると、この実査で、問題が生じ、許可までの時間が通常より長くかかる可能性がありますので、ご注意ください。

4,実査前にしておくべき事

1,当日は検査日時の1時間前くらいには行く

2,客室のテーブル、イス等の配置を申請図面通りに並べる

3,「18歳未満立入禁止表示」「20歳未満飲酒禁止表示」「(深夜)迷惑行為防止表示」を掲示する

4,メニュー表(料金表)を出入口付近及び各テーブルに用意する

5,「従業員名簿」「苦情処理記録簿」を用意する

※当然ですが、構造要件を満たすよう事前に工事をしておく必要があります。
(調光器があった場合は撤去。客室内に1m以上の衝立があった場合は撤去。など)

5,申請者本人はあまり緊張しなくてよい

ここまで、解説しました通り、「実査」とは店舗の構造検査がメインになりますので、申請者本人はあまり緊張しなくても大丈夫です。

実は、緊張するのは、申請図面を作成した行政書士の方なのです。
(この記事を書いている行政書士も、今は緊張しませんが、新人時代はかなり緊張しました。)

構造検査が終わった後は、浄化協会(警察OB)の検査官から、申請者と管理者に対して、適正営業をするための助言や指導がありますが、最近の検査官は非常に優しく教えてくれますので、緊張する必要はありません。

なお、実査の際に、併せて「市区役所の建築指導課職員」と「消防職員」もそれぞれ建築基準法、消防法に基づき、検査をするために店舗に来られます。

ここまで読んでも「実査」に関して何か不安点やご相談がある場合は、お気軽にご相談頂いても大丈夫です。電話による相談は無料です。

⇒ 新宿行政書士事務所 03-6675-9016

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