スナック・バー・キャバクラ等で喫煙室を作るには

令和2年4月1日から改正健康増進法・東京都受動喫煙防止条例の全面施行により、飲食店(スナック・バー・キャバクラ・ホストクラブ含む)においては原則として屋内禁煙となり、喫煙室を設ける場合は、省令等で定める要件や基準を満たさなければなりません。

今回の記事では、喫煙ができるお店にするためのケース別要件、手続きについて解説します。

1,シガーバー登録し、喫煙目的室とする

下記、条件を満たす場合、お店の全部又は一部を喫煙目的室とし、その中で喫煙することが可能です。

①喫煙場所の提供が主な目的
②飲食を提供する設備あり
たばこの対面販売(出張販売含む)
通常主食と認められる食事を主として提供しない
⑤喫煙室の出入口の見やすい場所に以下の事項が容易に識別できる標識を掲示すること
・喫煙をすることができる場所である旨
・20歳未満の者の立入りが禁止されている旨
⑥施設の主な出入口の見やすい場所に喫煙目的室が設置されている旨を記載した標識を掲示すること

上記の条件の中で、一番の難関が、たばこの出張販売登録であり、この手続きは、営業者だけではできません。タバコ販売店の下請け的な登録が必要であり、タバコ販売店が協力してくれなければ、登録できません。

もし、知り合いのタバコ屋さんがいなければ、下記のようなタバコ販売業者を通して、JTに登録申請する必要があります。ただし、下記の業者を推奨しているわけではありません。

喫煙目的店について | 株式会社ドライブコミュニケーションズ (drive-com.jp)
(更新情報! 2023年5月をもって、この会社でのたばこの出張販売免許申請サービスは休止した模様です)

そして、この登録さえ終われば、それ以外に保健所や警察で手続きする必要はありません!

なお、居酒屋など、食事もメインのお店は、仮に出張販売の登録をしたとしても、喫煙目的室とすることはできません。

2、加熱式タバコ専用室を設ける

下記条件を満たす場合、加熱式タバコ専用室においては、加熱式タバコに限り、喫煙しながら、飲食することが可能です。

なお、この要件を満たした場合、保健所や警察等に届出手続きは不要です。

喫煙室から施設の屋内にたばこの煙が流出することを防ぐための基準に適合していること
②喫煙室の出入口の見やすい場所に以下の事項が容易に識別できる標識を掲示すること
・喫煙をすることができる場所である旨
・20歳未満の者の立入りが禁止されている旨
③ 施設の主な出入口の見やすい場所に指定たばこ専用喫煙室が設置されている旨を記載した標識を掲示すること

<吸うことができるタバコの種類>

加熱式タバコのみ

紙巻タバコ、葉巻はもちろん、水タバコは吸えません。

なお、電子タバコは、そもそも規制対象外ですので、現時点においては、どこで吸ってもよいのですが、加熱式タバコと一見区別が付かないため、加熱式タバコ専用室で吸った方がよいでしょう。

<たばこの煙が流出することを防ぐための技術的基準>

①出入口において喫煙室の外側から内側に流入する空気の気流が0.2m/秒以上であること
②たばこの煙(加熱式たばこの蒸気を含む )が喫煙室の中から施設の屋内に流出しないよう 壁・天井等によって区画すること、
③たばこの煙が施設の屋外に排気されていること

3,喫煙専用室を設ける

たばこを吸うためだけの喫煙室を設ければ、その中で吸えます。ただし、飲食は不可です。

また、下記条件を満たす必要があります。①の技術的基準は加熱式タバコ専用室と同じです。

喫煙室から施設の屋内にたばこの煙が流出することを防ぐための基準に適合していること
②喫煙室の出入口の見やすい場所に以下の事項が容易に識別できる標識を掲示すること
・喫煙をすることができる場所である旨
・20歳未満の者の立入りが禁止されている旨
③ 施設の主な出入口の見やすい場所に専用喫煙室が設置されている旨を記載した標識を掲示すること

この喫煙専用室を設ける場合も、上記条件を満たせば、保健所や警察へ手続きは不要です。

<吸うことができるタバコの種類>

タバコ全般(制限なし)

4,補足

以上が、喫煙できるお店を作る方法になります。

2020年4月1日時点で既に営業していた飲食店で、面積が100㎡以下のお店であれば、保健所に届け出ることで、特段大した対策をせずとも、「喫煙可能室」として喫煙することが可能でしたが、現状は申請困難です。

東京都の場合は、更に「従業員がいない」という条件も付いたため、ほとんどのお店がこの「喫煙可能室」という制度を使うことはできませんでした。

5,最後に

スナック・バー・キャバクラ・ホストクラブなどを営業する場合、喫煙室の作り方だけでなく、飲食店の営業許可や、深夜営業の許可、風俗営業の許可などの手続きも悩みの種かと思います。

困ったときは、風営法関連の手続きのプロである行政書士にぜひご相談ください

新宿行政書士事務所 03-6675-9016

報酬一覧

<参考記事>風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業って同じ店舗で両方取れるの?

<参考>飲食店営業許可の手引き(東京都)

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