「スナキャバ」という飲み屋の業態があります。
スナックキャバクラの略でスナックとキャバクラが融合したお店らしいのですが、要は二つの業態の折衷店舗ですね。見方によれば、良い所が合体したお店ともいえるでしょう。
今回の記事では、「スナキャバ」を始める場合の営業許可について風営法専門の行政書士が解説します。
1,スナキャバを開業する場合、何の許可が必要?
スナキャバを開業する場合、保健所の許可を取得した上で、警察署に対して、下記のどちらかの手続きをとることになります。
この両者の違いを簡単に比較すると下記の通りです。
許可 ・ 届出 | 接待行為の可否 | 営業時間の制限 | 保全対象施設 (病院など)が近くにあった場合 | 警察等 による検査 | 申請から 営業開始まで | |
風俗営業 1号許可 | 許可 | 可能 | 午前0時~6時は営業不可 (営業延長許容地域では午前1時まで営業可) | 許可下りない | 有り | 55日 (土日を含まず) |
深夜酒類提供飲食店 | 届出 | 不可能 | 24時間営業可能 | 関係なし (ただし、用途地域の制限はあり) | 無し | 10日 (土日を含む) |
この表を見ると、大半の方は、24時間営業できて、許可までの期間も短い「深夜酒類提供飲食店」として許可をとりたい、と思ったでしょうが、残念ながら、営業実態に従って、どちらを申請するか選択する必要があります。
2,営業実態に従って、取得するべき許可・届出をしよう!
実際、「スナキャバ」の多くのお店は、「接待行為」を伴う飲食店であることが大半だと思います。
「接待行為」を伴う飲食店の場合は「風俗営業許可申請(1号)」を行う必要があります。
本当は、接待をしているのに、していないと偽って「深夜酒類飲食店」として届出すると、 後々、「風俗営業の無許可営業」として、警察に逮捕される可能性まであります!
とはいえ、名前が「スナキャバ」だとしても、営業実態は様々だと思われます。
例えば、
①カウンターとテーブル席のある構造で、女の子は、基本的にはカウンターの内側に立ち、注文のあるときのみテーブル席で注文を受けたり、配膳をするお店
(女の子とお客さんとの会話は居酒屋の店員とお客さん程度の短い会話のみ)
②カウンターとテーブル席のある構造で、女の子がお客の前や横に常時付いて、お酌や会話をしたりするお店
上記の内、①については、「深夜酒類提供飲食店」 でよいですが、②に該当する場合は、「風俗営業許可」が必要です!
風俗営業許可を取得する場合、営業時間は深夜0時(もしくは深夜1時)までとなります。
接待がない場合は、深夜酒類提供飲食店の届出でよいです!
(テーブル席やボックス席ばかりの店であっても、本当に接待行為を行わない店であれば、深夜酒類提供飲食店でOKです)
このように、自分のお店の営業形態によって、取得すべき許可・届け出を判断することが重要です!
3,まとめ
<前提>飲食店営業の許可を取得した上で、
・接待行為を行うお店であれば、風俗営業許可を取得
・接待行為なしで深夜0時~6時までの間も営業するお店であれば、
深夜酒類提供飲食店営業の届出
<参考>飲食店営業許可の手引き(東京都)
ただし、現実問題、「スナキャバ」と名の付く業態の大半は「接待行為」を伴うお店だと思いますし、それがお客さんへの売り(キャバクラよりは安価だが、女の子がきちんと付いてくれる)でもあると思いますので、「風俗営業許可」申請を行い、きちんと許可取得後に営業することをお勧めします!
4,判断に迷う場合は?
「自分のお店の営業方法はどちらに該当するか分からない」「接待行為の定義が今イチ分かりくい」
などのお悩みをお持ちの方は、風営法関連の手続きのプロである行政書士にぜひご相談ください
新宿行政書士事務所 03-6675-9016