無店舗型性風俗特殊営業開始届について(デリヘルを始めるには)

本WEBサイトは主として水商売(風俗営業)の開業の際の許認可手続きを解説しておりますが、「性風俗」に関する相談も稀にありますので、今回の記事では、「性風俗」に関する許認可手続きのうち、一番相談の多い「無店舗型性風俗特殊営業(デリバリーヘルスなど)」について風営法の専門家である行政書士が解説します!

なお、「店舗型の性風俗(ヘルス・ソープランド)」に関する許認可は、東京都においては、「台東区千束四丁目(いわゆる吉原)」を除き、新規で届け出ることはできません。

1,無店舗型性風俗特殊営業(デリヘルなど) を始めるには、どうすれば?

無店舗型性風俗特殊営業( デリバリーヘルスなど )を始めるには、オープンの10日前までに、管轄の警察署へ書類を揃え、届出を行う必要があります。

手続きとすれば、これだけで始められますが、(もちろん実際には、求人や集客といったことは必要ですが)
届出が受理されるためには、注意点がいくつかありますので、続いて解説します。

2,事務所と受付所に関する注意点

事務所に関する注意点

無店舗型性風俗特殊営業(デリヘルなど) において重要な要件は「事務所」の確保です。

多くの方は、事務所を賃貸して営業を始めると思いますが、この時重要なポイントは、大家さんが、この物件を何のために使用するか承諾しているかどうかです。

警察への届出の際に、大家さんがこの事務所を「無店舗型性風俗特殊営業」のために使用すること承諾したという「使用承諾書」という書面を付けなければ受付してもらえません。

事務所を借りた後に、この使用承諾書がもらえなくて、物件を借り直すなんてことがないように、契約前に、必ずこの点を確認しましょう!

なお、「そもそも事務所なんかなく、自宅でやるつもりだ」という場合は自宅が事務所になります。

この場合、持ち家なら良いのですが、居住用で借りているマンションの場合、この「使用承諾書」がもらえるケースは残念ながら、ほとんどありません。

居住用として貸したのに、その後、デリヘル(派遣型ファッションヘルス)の事務所として使用することを承諾する、と記載された書面に判子を押す大家さんは普通はいません。改めて、使用承諾書がもらえる物件を借りるようにしてください。

事務所に関して、場所の規制はありません

開業予定の方にとって、嬉しい情報としては、大家さんが「使用承諾書」を出してくれるのであれば、事務所の近くに保全対象施設(病院、学校、保育所など)があっても、届出可能です。

キャバクラやホストクラブなどの風俗営業を行う場合、近くに病院や学校があったら、許可は下りないのですが、 無店舗型性風俗特殊営業(デリヘルなど) の場合は、あっても構いません。
(理由としては、事務所にはお客さんが直接来れないので、周囲の環境に対して善良な風俗を乱さないと判断されているからです。周りからみたら単なる会社事務所にしか見えないからということです。)

なお、事務所にお客さんが直接来れるとなると、それは次に説明する「受付所」に該当し、規制されます。

受付所に関する注意点

令和4年現在において、ほとんどの地域で新規で受付所を設けることはできません。
(東京都では、 台東区千束四丁目(いわゆる吉原) のみ可能です)

理由としては、受付所は「店舗型性風俗特殊営業」と扱われるからです。

「えっ?知り合いの店は繁華街に受付所あるよ」という方もいるかもしれませんが、その受付所は、平成18年の法改正より前からあるいわゆる既得権店舗のはずです。

「いや、知り合いの店は最近オープンしたんだけど、、」というかもしれませんが、その場合は、おそらく完全に新規オープンではなく、法人で平成18年より以前に届出をしていた会社を譲り受けた場合と思います。もしくは、「ホテヘルブース貸し」といわれる、実態は違法な名義貸しのケースだと思われます。

なお、「待機所(従業員の待機場所)」については、現在においても設置可能です。

3,届出に必要な具体的な必要書類は?

1,届出書

2,営業の方法

3,事務所周辺略図 (管轄警察署によっては不要)

4,事務所平面図

5,使用承諾書及び賃貸借契約書の写し(賃貸物件の場合)

6,建物登記事項証明書

7,住民票の写し(本籍記載・個人番号未記載)

8,顔写真付身分証明書のコピー(管轄警察署によっては不要)

<法人の場合は、下記追加>

9,定款

10,履歴事項全部証明書

11,役員全員の住民票の写し(本籍記載・個人番号未記載)

<参考>警視庁HP 性風俗関連特殊営業

4,届出から営業までの流れ

1,管轄警察署に届出の予約

2,管轄警察署に必要書類を持参して届出
  (手数料3,400円納付)

3,上記2の10日後から営業可能

4,上記2の約2週間後に届出確認書が交付される

<注意点>

※届出時までにURLや電話番号を決めておく必要があります。
※WEBサイトが複数ある場合、1の届出で複数サイト全て申請可能です。
※届出確認書がないと、多くの広告媒体(求人及び集客)には掲載できません。
※営業時間の制限はありません。

5,届出をしないとどうなる?

6カ月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課せられます。

6,最後に

ここまで読んで頂き、届出の手続き、必要書類の作成など、ちょっと難しそうだなと思った場合は、風営法関係の許認可申請のプロである行政書士にお気軽にご相談ください!

特に、東京都内、新宿区内において、「無店舗型性風俗特殊営業(デリバリーヘルスなど)」 を始めたい方は新宿行政書士事務所にお任せください。使用承諾書を発行してくれる物件のご紹介も可能です。

お電話や問い合わせフォームによる相談は無料です!

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