ガールズバーやコンカフェの営業許可

最近、繁華街でガールズバーやコンセプトカフェが非常に増えております。

今回の記事では、ガールズバーやコンセプトカフェを開業する際に、どういった営業許可や手続きが必要かについて風営法専門の行政書士が解説します。

1,まずは飲食店営業の許可を取得する

ガールズバーにせよ、コンセプトカフェにせよ、飲食物を提供する以上は、「飲食店営業」の許可申請をし、許可を取得する必要があります。

<大まかな流れ>

許可申請 → 店舗検査(保健所職員による) → 許可書交付

申請に必要な書類や、細かい手続きの流れは、手引き(東京都の場合)をご確認ください。

※申請をする「保健所」は営業予定の店舗所在地を管轄する保健所になります。
※申請から店舗検査までは、検査職員の都合によりますが、早ければ当日午後以降から可能です。
※検査完了から許可書発行までは平均1週間となります。
※店舗検査が完了すれば、許可証発行前でも、検査完了日の翌日から飲食店営業可能です。

<申請書類に関するよくある質問>

1,食品衛生責任者がいないのだけど、どうしたらよいか?

→申請後に、「食品衛生責任者養成講習会」を受講しますという「誓約書」を提出すれば、申請時点において、該当者がいなく ても申請は可能です。なお、現在は、e-ラーニングで受講することも可能です。
受講後に、保健所に改めて食品衛生責任者の届出をする必要があります。

2,図面がないのだけれど、どうしたらよいか?

⇒図面は必ず必要です。前の営業者や不動産業者から取得できるのが一番ですが、ない場合は、ご自身で作成する必要があります。難しい場合は、内装業者や行政書士に依頼するのが近道です。

<居抜店舗を契約する場合の設備に関するよくある注意点>

1,客室と調理場を区切るドア(ウエスタンドア)がない

→以前の店舗でも、許可取得時にはあったのでしょうが、営業の際に取り外し、居抜物件を借りた際にはないことが多いです。その場合、ドアを取り付ける必要があります。

2,調理場内に従業員用手洗いがない

→こちらも当初許可時にはあったのでしょうが、営業中の手洗いは二槽シンクで済ませるため別に手洗いがあっても邪魔だと考え、外す営業者の方が多いです。(食品衛生法上はもちろんだめです!)
ない場合は、改めて取り付ける必要があります。なお、令和3年6月の食品衛生法改正に伴い、従業員用手洗いの蛇口は、肘で操作できるレバータイプか自動センサ感知タイプか足踏みタイプであることが必須になりました。

3,調理場内に戸棚がない

→飲食店営業許可では、「戸棚」が必要です。単なる「棚」ではなく、「戸(扉)」が付いた「戸棚」が必要です。営業中、グラス等の取り出しを早くするためか「戸(扉)」がなくなっているケースがあります。こちらもない場合は、取り付ける必要があります。もしくは新しく「戸棚」を購入して設置する必要があります。

2,警察への手続きは何が必要か?

保健所の許可(飲食店営業許可)を取得した後、続いて警察署に対して手続きをする必要がありますが、何をすればよいかは、ガールズバーやコンセプトカフェの営業実態によって異なります。

具体的には、①接待を伴う営業をするかどうか、②深夜(0~6時)も営業するかどうかによって、手続きが異なります。

接待を伴う営業の場合

接待の具体的定義については、リンクページを参照して頂きたいですが、接待を伴う営業を行う場合は、風俗営業許可申請(1号)を行う必要があります。

接待は行わないが、深夜(0~6時)の時間帯に営業をする場合

深夜酒類提供飲食店営業開始届(いわゆる「深夜営業許可」や「深酒」と呼ばれるもの)を提出する必要があります。

接待も行わず、深夜の時間帯も営業をしない場合

警察に対して、特段手続きは必要ありません。
※ただし、東京都では「特定異性接客営業」「特定衣類着用飲食店営業」に該当する場合はその届出が必要です。

「風俗営業許可と「深夜酒類提供飲食店営業(深夜営業許可)」の比較表

 許可

届出
接待行為の可否営業時間の制限保全対象施設
(病院など)が近くにあった場合
警察等
による検査
申請から
営業開始まで
風俗営業
1号許可
許可可能午前0時~6時は営業不可
営業延長許容地域では午前1時まで営業可)
許可下りない有り55日
(土日を含まず)
深夜酒類提供飲食店届出不可能24時間営業可能関係なし
(ただし、用途地域の制限はあり)
無し10日
(土日を含む)

<参考>風俗営業や深夜酒類届出の申請書類様式(東京都)

3,注意喚起(接待をしているのに虚偽の申請をしない)

「風俗営業許可」を取得すると深夜0時(場所によっては深夜1時)までしか営業できないからといって、本当は接待をしているにも関わらず、軽い気持ちで「深夜酒類提供飲食店開始届出」で済ませる方がいますが、注意が必要です。

後々、「風俗営業の無許可営業」で、警察に逮捕される可能性もありますので、その点、重々ご理解した上で、慎重に手続きを選んでください!

もちろん、警察も鬼ではないので、接待をしているお店だなと警察職員が判断したら、一旦は事前に「接待をしていますよね?すぐ風俗営業の許可を取得しなさい」と警告してくれ、それに従って、許可取得まで接待営業を辞めれば、見逃してくれることが大半ですが、絶対ではありません。

カウンターのみの店なら「深夜酒類提供飲食店(深夜営業許可)」で大丈夫?

また、よくある勘違いとして、カウンターのみの店であれば、「深夜酒類提供飲食店開始届出」 でよいと思っている方が多いですが、重要なことは「接待行為」を伴うかどうかであり、カウンターのみかどうかは関係ありません。

とはいえ、カウンターの前にスタッフが立つより、ボックス席の隣にスタッフが座る方が接待をしていると判断される可能性は高いという事実はあります。

<参考図面>カウンターだけの店舗でも、スタッフが多い場合は、接待をしているとみなされる可能性が高い(←接待しないなら、こんなにスタッフいらないよね?)

ガールズバー図面 接待

4,判断に迷う場合/手続きを専門家に任せたい場合

「自分のお店の営業方法はどちらに該当するか分からない」
「接待行為の定義が今イチ分かりくい」
「風俗営業に当たらないギリギリのラインのお店を作りたい!」
「警察から指導されたので風俗営業の許可を取得したいが専門家に任せたい」

などのお悩みをお持ちの方は、風営法関連の手続きのプロである行政書士にぜひご相談ください

新宿行政書士事務所 03-6675-9016

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